小澤征爾 ・ 村上春樹
『小澤征爾さんと、音楽について話をする』新潮社 (2011)
タイトル通り、村上さんが音楽について小澤さんにインタビューしたものをまとめたものです。
面白く最後まで読んでしまいました。
クラシック音楽はきまぐれにCDで聴くぐらいで知らないことばかりだけど。
村上さんの文章だとついつい読んでしまうんですねえ。
要は音楽というのは、
「・・・デューク・エリントンが言っているように、世の中には「素敵な音楽」と「それほど素敵じゃない音楽」という二種類の音楽しかないのであって、ジャズであろうがクラシック音楽であろうが、そこのところは原理的にはまったく同じことだ。「素敵な音楽」を聴くことによって与えられる純粋な喜びは、ジャンルを超えたところに存在している」( 始めに より)
とういことであり、 また、
「僕がこのセミナーに参加するにあたっていちばん興味を持ったのは、どのようにして「良き音楽」が作られていくかというプロセスだった。僕らは良い音楽を聴いて感動したり、あまり良くない音楽を聴いてがっかりしたりする。そういうことをごく自然におこなっている。しかし実を言うと、どのようにして「良き音楽」が作られていくかというプロセスについては、あまり多くを知らない。」
("スイスの小さな町で"の章より。小沢さんがスイスの小さな町で主催している、若手の演奏家のためのセミナーに村上さんが特別ゲストとして招かれ、その様子を記録している。)
というように、小澤さんへのインタビューを通して、そんな良き音楽が作られて行くプロセスがいろんな角度から明らかにされていくという具合です。